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Column

代表の桜庭が、アマゾンジャパンの人事350名が参加する1dayカンファレンスにて登壇しました

HR・人事知識リーダーシップ組織開発

2024年12月10日

日本初上陸“オントロジカル・コーチング”のアプローチに基づいた組織風土改善や、次世代のリーダーシップ開発、人材育成を手掛ける35 CoCreation(サンゴ コ・クリエーション)合同会社(本社:東京都渋谷区)代表の桜庭理奈は、2024年11月6日(水)に アマゾンジャパン合同会社(本社:東京都品川区上大崎 3-1-1 目黒セントラルスクエア)オフィスにて開催された、人事メンバー約350名が参加する1dayカンファレンス「Japan PXTCon」にゲストスピーカーとして登壇しました。 アマゾンジャパンとのコラボレーション背景 アマゾンジャパンでは、今年度初めて人事向けの1dayカンファレンスを開催することになりました。日頃さまざまな場所で働く約350名の人事が一堂に会し、学び、つながることができる場を提供するためです。テーマは「Best at Amazon, Best in Japan」とし、人事のプロとして事業を支援する人事メンバーが、今後の仕事で活かせる学びや自身のキャリアを考える機会となりました。 桜庭は複数の外資系企業での人事経験と、起業後の現在までの経験や経営におけるコーチングの専門性を評価され、今回ゲストスピーカーとして招かれました。 当日はアマゾンジャパン人事のみなさんが多くご参加 本カンファレンスは、アマゾンジャパンの目黒セントラルスクエアにて行われました。当日は約100名が対面で参加し、さらにオンラインでは全国のアマゾンジャパン人事部門のメンバーへリアルタイムで配信されました。 企業内人事からコーチング会社を起業した経験を、赤裸々に吐露しました 桜庭は、本カンファレンスの『HR キャリアディスカバリー』セッションに登壇しました。今回は『大人のリナが子どものリナと再会する話』というテーマで、桜庭の幼少期から学生時代、その後複数の外資企業での人事経験を経て、35 CoCreationを創業するまでの道のりをお話しました。 単なる経歴や人事のノウハウの共有ではなく、桜庭が人生の各段階で何を大切にしてきたのか、どのような揺らぎがあったのかなどについて、約1時間にわたって赤裸々に共有しました。 参加者とのQ&Aセッション セッション後、参加者の皆さんから多くのご質問や個別のご連絡をいただきました。本レポートでは、カンファレンスでいただいた質問の一部を、実際の会話形式でお届けします。 Q:なぜ人事の仕事をやりたいと思っていたのかお聞かせください。 A(桜庭):ご質問ありがとうございます。キャリアの最初は「営業・企画」や「人事」で、今は「コーチ」とラベルを貼ると全然違う仕事をしているように見えることもあると思います。ただ、私なりには根っこは全部つながっているんです。 結局、組織も人の集まりなので、そこにいる一人ひとりに、自信を持って、輝いてもらいたいんです 。組織の中で 「自分には無理なんじゃないか」とか「自分に意見がない」など思って自信をなくしている人に、「私、イケてるかもしれない!」とかそういう感覚を呼び覚ますお手伝いをしたいというのが、根本にありますね。私自身も今回の講演でお話しした通り、自分らしさを組織で出すことが苦手だった経験もあります。 だから、小さくてもいいので、その人がその人なりに輝いていけるようにするために、私は仕事をしていきたいと思っています。 Q:コーチングを求めていないリーダーに対して、HRやコーチとしてどのように声かけができるでしょうか。 A(桜庭):ありがとうございます。このご質問は、結構いただきます。私が関わってきたリーダーの中でも「今は変わりたくない」とかなり自分の中で決めていらっしゃる方もいたので、そのような方に向けては、今の時点ですぐにコーチングを行うことが適切でない可能性もあります。 ただそれで終わりではなくて、私なら、その人が変わりたくない理由を知ろうとすると思います。変わりたくない背景には、変わらないことで手放したくない何かがきっとあると思うんです。それは何なのか、勝手に想像して終わりではなく、そこに好奇心を持ち、話をするのが結構重要なんじゃないかなと思っています。 Q:今まで一番対話に苦労したリーダーのご経験があったら伺いたいです。 A(桜庭):そうですね。一番難しいと感じたのは、 主語に自分が一切出てこない人ですね。「このリーダーは...」とか「あの会社がさ...」とか言っている人。そういう人とコーチングや話をする時は、一回その話をストップして「そのストーリーの中で、あなたという主人公はどこにいるんですか?」と問うことが大切だと思います。そこをちゃんとフィードバックした上で対話を進めないと、時間だけが過ぎてお互い生産的ではありません。 ーアマゾンジャパンのみなさま、ありがとうございました!

テレワーク時代の働き方と「つながらない権利」について考える

HR・人事知識

2021年12月21日

フランス発、つながらない権利 「つながらない権利」とは、勤務時間外や休日に、仕事のメールや電話に対応することを拒否する“権利”のことをいいます。発祥の地のフランスでは、すでに労働法にも織り込まれています。日本ではつながらない権利の法制化はされていませんが、勤務時間外に業務に関する対応をすることは当然時間外労働となります。 コロナ禍で日本でもテレワーク(在宅勤務)の導入が進みましたが、時間外労働を行うことによる公私の境界は曖昧に。厚生労働省が提示したテレワーク推進のガイドラインは、長時間労働を防ぐ対策として、同様な内容が提案されています。 テレワークが推進される今、注目される「つながらない権利」について、以下、少し仔細に考えてみましょう。 通勤でもテレワークでも課題は長時間労働 コロナ禍以前、働き方改革推進の一つとして注目されていたテレワーク。2015年に鳴門教育大学大学院准教授の坂本有芳氏が発表した論文では、「​​ICT(情報通信技術)ツールの利用度の高さや在宅就業頻度は、仕事と家庭生活の葛藤(コンフリクト)を増やす方向にある」と伝えています。 ここでいうICTはインフラ技術のことでなく、個人が選択可能なハードウェア(スマホ、タブレットなど)、ソフトウェア(メッセージやスケジューラーなどのアプリ、ネット電話などのネットサービスなど)のことです。調査からは「育児との両立」ができたと回答した女性をはじめ、女性に関しては、昼間の利用が多くみられる一方で、特に男性については、在宅勤務と言っても「持ち帰り残業」や休日出勤代わりの実施が多く、結果的に長時間労働から抜け出せていないことが分かります。 日本では以前からサービス残業が恒常化するなど、長時間労働を是としてきた文化がベースにありました。しかし、働き方改革、ワークライフバランスが叫ばれるようになり、その意識は着実に“変えるべきもの”となってききました。 テレワークで勤務時間が長めに コロナ禍爆発的に広がったテレワークでは、場所や時間を有効に活用できるようになってきたとはいえ、働き過ぎという問題に対しては根本的な改善があまりみられていないようです。日本労働組合総連合会による2020年の調査によると、テレワークによって、「公私が曖昧」になることがあった人が70%強、「労働時間が長くなる」「勤務時間外に仕事に関する連絡をする」ことがあった人が50%を超えるとの結果に。意識が向かうべき方向と実情は、真逆に進んでいるようです。 年代別に見ると、10代〜20代では「プライベートの充実に繋がった」、「趣味に費やす時間が増えた」割合は35%近くに上りましたが、40代、50代では20%以下を下回っています。若年層は、テレワークにより自分の時間を確保できるようになり、ワークライフバランスを保てるようになったと感じている人が見られる一方で、サービス残業に慣れた40代以降は、コロナ禍のテレワークであっても、プライベートにはなかなか時間を割けていないことが分かります。 若年層ほど「サボっていると思われるストレス」を抱えている もともと残業を厭わない働き方をしていた40代〜50代より、働き出した20代〜30代のほうが、働く時間とプライベートの棲み分けを意識している人は多いようです。 一方で気になるデータも。株式会社ヌーラボによる「テレワークと“サボり”の関係性に関するアンケート調査」によると、20代〜30代のほうがテレワークによって「サボってしまう」傾向があると同時に、他人から「サボっていると思われているかもしれない」ストレスも感じているというのです。 さらに、年代の高い人ほど「(他者が)サボっているのでは?と思ってしまう」というのは、本当の意味で働きやすい環境とは言い難いですよね。20代はテレワークを終了してオフィス勤務を希望する人の割合が、他の世代と比べて高く、こうした要因も関係しているといえるでしょう。 テレワークを継続するのであれば、若い世代の「サボっていると思われストレス」を軽減する必要があります。しかし、そのストレス解消の方法として、まるで勤務状況のパトロールのように、今何をしているかをこまめに詮索しては本末転倒です。 出典:株式会社ヌーラボ テレワークと“サボり”の関係性に関するアンケート調査 2020年 無意識にプレッシャーを与えている?メールは即レスが基本? テレワーク・出社問わず勤務外時間に仕事をする場合、遅い時間に電話をかける(受ける)のは躊躇する人がほとんどではないでしょうか。しかし、メールならどうでしょう。メールを送る側の場合は翌日に相手が見てくれればいいと考え、送信した経験がある人は少なくないはずです。調査によると、24時間以内にメールへの返事がくれば遅いとは感じない人が多いようです。 では、勤務時間外に企業から業務連絡が来た場合はどうでしょうか。電話・メール問わず、90%以上の人が「対応する」そうです。送られた側は返信しなければとプレッシャーに感じてしまっているのですね。厚生労働省のガイドラインにあるように、メール(および電話)の送信に時間制限を設けるとか、システムへのアクセス時間を制限することで、仕事の対応ができない状況にするなどの対応が必要でしょう。 出典:レバレジーズ株式会社 勤務時間外の業務連絡に関する意識調査2018年 みんなでデジタルデトックス たとえ拒否する権利があったとしても、権利を使えるかどうかは、その人の性格や状況によります。連絡がくれば対応してしまう人が9割を超える状況では、「やめましょう」と喚起するだけでは不十分でしょう。 勤務時間外労働は少しの時間超過でも、心身ともに影響を与えるという調査結果がドイツの研究機関から出されています。夕方6時以降の業務外対応でうつ病などの発症が多かったとの報告もあり、働く時間も重要なようです。前項で触れたような「さぼり」に関するストレスもあります。やはり「つながらない権利」を誰もが使えるよう、きちんと制度として担保するべきです。 たとえば、フジテレビアナウンス部は午後10時以降のメールを禁止しています。もちろん、早朝の番組を担当している人など例外はあるようです。 労働法に「つながらない権利」を織り込んでいるフランスも、時間帯などは各企業が決めることになっているように、「つながらない」期間は各々の企業の状況によって決めるものです。 大事なのは、決めたからにはマネージャーやリーダーが率先して守ること。今や小学生でも一人1端末の時代。いつでもつながれる安心感もありますが、つながらないことの大切さをきちんと教えていく必要があります。同時に、メリハリをつけて働くためにも、業務ツールやデジタル機器そのものから意識的に距離を置き、精神的・肉体的な疲労をリフレッシュする「デジタルデトックス」の習慣も持ちたいものです。 桜庭 理奈 2020年に35 CoCreation合同会社を設立。経営・組織・リーダーシップ開発コーチング、講演活動を通して、多様なステージにある企業や経営者を支援している。

日本における障害者雇用:合理的配慮の事例とリモートワークの可能性

HR・人事知識

2021年7月20日

厚生労働省の調査によれば、2020年6月1日時点の民間企業における雇用障害者数は57万8,292人で、前年比の3.2%増、実雇用率も2.15%で前年比の0.04ポイント増となりました。このように、雇用者数は過去最高を更新しましたが、一方でその伸び率は鈍化傾向に。法定雇用率の達成率は48.6%と半数にも満たない状況です。 ますます求められる障害者雇用 そんな中、今年(2021年)3月に民間企業の法定雇用率が2.2%から2.3%へ引き上げられました。例えば、従業員が44人の企業はこれまで雇用義務がありませんでしたが、今後は障害者を一人以上雇う必要があります。また、すでに雇用している企業でもその人数を増やす必要性もでてきています。 障害者は「身体障害者」「知的障害者」「精神障害者(発達障害を含む)」に分けられますが、いずれの障害についても、雇用側は「障害者を雇用するイメージやノウハウがない」といった課題点を挙げています。まずはイメージを持つためにも、「障害者差別解消法」によって求められるようになった「合理的配慮」について、採用・雇用の実例をみてみましょう。 身体障害者の雇用と合理的配慮 障害者の中でもっとも雇用人数が多いのは身体障害者で、視覚障害、聴覚言語障害、肢体不自由、内部障害、重複障害などの障害を持つ人です。 【身体障害者の雇用における合理的配慮の事例】 <採用時> 音声ソフトや点字を採用試験に活用した(視覚障害) 面接には手話通訳員を委嘱した(聴覚障害) ラッシュ時を避けた面接時間にした(肢体不自由) 面接会場の机の位置などに配慮、会場を1階にしてすべての試験を1会場に集約した(肢体不自由) など。 <雇用後> 危険箇所にはぶつかっても怪我をしないような工夫をした(視覚障害) 災害時に備え、避難時の手話ができるよう全社で研修を行った(聴覚障害) 就業中も休憩中も車椅子だと床ずれができるので、横になれる簡易ベッドを設置した(肢体不自由) 透析スケジュールを把握し、処置後は大きな負担がかからないよう業務量を調整した(内部障害) 身体的な障害なので、物理的な配慮を行っているところが多いようです。雇用上の課題も「職場の安全面の配慮が適切にできるか」という点を挙げている事業者が他の障害者を雇う場合より多くなっています。 【身体障害者の雇用における合理的配慮の具体例】 <カーペットの色で通路を示した不動産関係会社>*参照元 1 している障害者の視野が狭く、物や同僚の椅子などにつまずくことが多かった。テープで境界をつくるなどの工夫をしていたが、分かりにくく、事業所の引越しに伴い、カーペットの色を一部変更して通路とそれ以外のエリアのコントラストをはっきりさせた。色を決めるときは、障害者本人に確認してもらい決めた。以降、同僚も物の置ける範囲や、椅子の飛び出しなどに容易に気づけるようになった 知的障害者の雇用と合理的配慮 知的障害者の方には、「話している言葉は理解できるが、文章での理解は苦手」、またはその逆で、「相手の言っていることは理解できるが、自分の気持ちを表現するのが苦手」など、さまざまな方がいます。また、一定の時間に出勤することが困難であったり、体調に波があることや通院・服薬が必要なこともあります。 【知的障害者の雇用と合理的配慮の事例】 <採用時> 面接官との意思疎通に支障が生じないように就労支援機関の職員などの同席を認めた 本人だけでなく、保護や就労支援機関の担当も一緒に職場見学や勤務内容の説明を行ったなど。 <雇用後> 本人の習熟度などを確認しながら徐々に増やしていった 図などを活用した業務マニュアルを作成した 本人対し、会社や社会のマナー及びルール、通勤災害や労務災害予防の勉強会を開催した 知的障害者に対しては、障害者のメンタルに対する配慮が多くみられます。また、知的障害者の苦手なことに配慮された取り組みも多くの企業で行われています。 「採用時に適正、能力を十分把握できるか」が他と比べると、雇用上の課題として多く挙げられています。 【知的障害者の雇用における合理的配慮の具体例】 <障害者主体で問題点を改善したゴム製品の製造業企業>*参照元 2 障害者が60%という職場で、健常者主体の職場改善では障害者にとって使いやすいとはいえず、その経験から障害者主体で、「危ない」「やりにくい」「悩む」などの問題点を見つけ、改善する活動を行なっている。問題マップと改善マップをなど作り、オリジナルのピクトグラムを使って、分かりやすくしている。目指しているのは「障害者が悩まない作業、疲れない作業」。 精神障害者の雇用と合理的配慮 精神障害には統合失調症、そううつ(気分障害)病、てんかんなどがあり、発達障害には自閉症・アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害などがあります。それぞれ特性や症状が異なるため、雇用者はそれらを事前に知っておくといいでしょう。 【精神障害者の雇用と合理的配慮の事例】 <採用時> 面接官との意思疎通に支障が生じないように就労支援機関の職員などの同席を認めた 本人だけでなく、保護や就労支援機関の担当も一緒に職場見学や勤務内容の説明を行ったなど。 <雇用後> 本人の習熟度などを確認しながら徐々に増やしていった 図などを活用した業務マニュアルを作成した 本人に対し、会社や社会のマナー及びルール、通勤災害や労務災害予防の勉強会を開催した 知的障害者に対しては、障害者のメンタルに対する配慮が多くみられます。また、知的障害者の苦手なことに配慮された取り組みも多くの企業で行われています。 「採用時に適正、能力を十分把握できるか」が他と比べると、雇用上の課題として多く挙げられています。 【精神障害者の雇用と合理的配慮の具体例】 <親会社の仕事を切り出してITスキルの高い障害者を雇用したIT関連会社>*参照元 3 情報通信業に精神障害者が従事している率は高くない。しかし、実は職場環境に適応できずITスキルの高い障害者が定着していない場合もあったため、執務室を作る、パーテーションを設けるといった環境を整えることで、次代を担う人材として、精神障害者を育成している。 【精神障害者の雇用と合理的配慮の具体例2】 <福祉的な受け入れではなく”戦力”としての採用を行なった建設会社>*参照元 4 採用前の実習などを通して、障害者の意欲と、会社側の求めるものとのギャップを軽減していった。障害者用として特別な仕事を用意せず、アセスメントを重視、その上で業務分担を行なった。核となる日常業務にその他の業務を組み合わせる、個々で仕事に専念させるといった定着のための工夫もさまざま行なった。 合理的配慮はどこまで? どの障害者に対しても、例として紹介した配慮をはじめ、体調への配慮はもとより、対応専任者や臨床心理士をおく、ジョブコーチを活用するなど、さまざまな合理的配慮が提供されています。 しかし、それにも限界はあります。 例えば、テナントとして入っているビルがまったくバリアフリー対応をしていないとして、車椅子の人が不自由なく働ける設備を自前で整えるには、莫大な費用がかかってしまい、とても現実的ではありませんよね。 合理的配慮は「民間事業者は提供に努める」とされてはいるものの、過重な負担の場合は断ることもでき、罰則もありません。基本的には、障害者から「こうしてほしい」「こんなことが難しい」と申し出があったことについて協議し、お互いに合意した上で行っていきます。障害者のプライバシーへの配慮も重視しなければならないので、同僚に対して障害についてどの程度知らせていくかなども含めて、しっかりと話し合うことが必要ではないでしょうか。 リモートワークで障害者雇用は進むか コロナ禍で急速に広がったリモートワーク。コロナ収束後も、主な働き方の一つとして定着するといわれています。 特に在宅ワークであれば、普段生活している場所で働くことになるので、身体的にもメンタル的にも過ごしやすく、通勤自体がが苦痛だった人にとっては、願ったりかなったりかもしれません。 雇う側にとっても、リモートワークは環境を整えるのための費用を減らすことできますし、遠隔地に住む方々の雇用も可能になるため、より広く採用活動ができることもメリットになるでしょう。 しかし、例えば知的障害者の約4割は生産工程の職業に就いていて、その多くは工場などの現場での作業なので、リモートへの変換は難しいかもしれません。 また、対面であれば気づけた体調面やメンタル面のちょっとした変化に気づけず、ストレスを溜めさせてしまうことにもなります。 会社内で行う仕事と同じように、業務の切り出しを行って、リモートで採用するメリット・デメリットを考慮しながら進めていけば、新たな障害者雇用のスタイルになりうるでしょう。 合理的配慮は“雇用”だけの問題ではない 障害者差別解消法は、「共生世界」を目指したもので、障害者に対する合理的配慮の提供は、なにも雇用する企業・事業所だけに求められていることではありません。 生活のあらゆる場面で、障害がある、ないに関わらず、人間同士がふれあい、互いに”らしさ”を認め合い、共に生きていく。この考えを普段から皆がもっていれば、「障害者雇用!どうすれば?」と尻込みする必要はないのかもしれませんね。 桜庭 理奈 2020年に35 CoCreation合同会社を設立。経営・組織・リーダーシップ開発コーチング、講演活動を通して、多様なステージにある企業や経営者を支援している。