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【体験談】「演劇」が変えた、ウェストロック社の次世代リーダー:身体と感情で学ぶ、新しいリーダーシップの形

リーダーシップ人材開発組織開発

2025年2月4日

コーチングを通して次世代リーダー育成を支援する、35 CoCreation(サンゴ コ・クリエーション)CEOの桜庭です。今回はコーチングプログラムの体験談をお届けします。 世界40か国で事業を展開する世界最大の包装資材メーカー、スマーフィット・ウェストロック社の日本法人であるウェストロック合同会社。同社は、マルチパックのパイオニアとして1969年に創業し、現在50人を超える社員がいます。しかし同社は、ある経営課題を抱えており、今回、35 CoCreationのコーチングプログラムを受講することを決定。2024年12月現在もプログラムが進行中です。 今回の記事ではプログラムを通じて、どのように課題を乗り越え、組織が成長してきているのか、同社日本事業を統括するゼネラルマネージャー園田悟さんと人事部長の橋本ルミさんに伺いました。 -そもそもコーチングプログラムを受けようと思われたきっかけについて教えてください 園田さん:2023年6月に入社して以来、社員一人ひとりが会社の成長に責任感を持って動いてくれないことに、強い危機感を感じていました。M&Aを繰り返してきた歴史を持つ当社では、トップダウンで方針が決まることが多く、社員の声が本国や上層部に届きにくい環境がありました。社員たちの間には、「言っても無駄」という諦めの空気が漂い、活気のない組織になっていました。 もう一つ、深刻な課題は英語力の不足でした。グローバルなビジネスを展開する当社にとって、世界中の人々と円滑にコミュニケーションが取れないことは、大きなハンディキャップでした。 このままでは、会社の成長を阻害しかねない。そうした危機感から、何かを変えなければと、必死に打開策を探していました。 そんな時、橋本さんがチームに加わってくれてより深いレベルでの変革を目指し、コーチングプログラムの導入を決めました。 橋本さん:私が入社したのは今年の3月ですが、園田さんの話を聞いてまもなく、人事担当として、社員一人ひとりの成長を支援したいという思いに駆られました。これまでの経験上、座学の研修だけでは、社員の行動はなかなか変わりません。社員一人ひとりの心に火をつけ、自ら成長できるような環境を作りたいと考え、「人の在り方」にアプローチするような、コーチングプログラムの導入を提案しました。 そこで元々ご縁のあった桜庭さんが思い浮かび、園田さんにご紹介したのがきっかけです。 -コーチングプログラム以外にも、様々なアプローチを検討されたとのことですが、最終的に35 CoCreationのプログラムを選ばれた理由は何だったのでしょうか? 園田さん:当初は、社員の英語力向上のための英会話レッスンや、1on1コーチングの導入も検討しました。しかし、それだけでは物足りないと感じていたのです。単に英語が話せるようになるだけでなく、グローバルなビジネスで求められる『考え方』や『コミュニケーション力』を根底から変えたい。そんな思いが強くなりました。 1on1コーチングも、上司と部下が一歩踏み込んでコミュニケーションすることで、一人ひとりの気づきにはつながるかもしれませんが、組織全体のカルチャーを大きく変えるには、もっと根本的なアプローチが必要だと考えました。 最終的に35 CoCreationにお願いしたのは、まさにその『根底』に深く入り込み、社員一人ひとりの『在り方』を変えてくれると感じたからです。社員が自分自身と向き合い、成長を実感できるような、そんなプログラムに惹かれました。 -人の在り方からアプローチするオントロジカルコーチングは、自分自身の内なる声に耳を傾け、心と体のつながりを深めることで、より人として成長するための手法です。これにより、単なる『指示や管理を行うだけのリーダー』から、チーム全体を共に成長させる『次世代のリーダー』へと進化できるのです。 園田さん:生産工場を持つ当社では、多岐にわたる専門分野を持つ社員が活躍しています。営業、サプライチェーン、物流、デザインなど、それぞれが持つ高い専門性を活かしつつ、組織全体の成長を牽引し、より良い未来を共創できるリーダーを育成したいと考えていました。 特に、若手社員には、単に指示を待つだけでなく、自ら考え、行動し、チームをまとめていくような、より主体的なリーダーシップを発揮してほしいと考えています。今回のプログラムは、まさにそのような私たちの思いに合致するものだと感じました。 そこで各部署から次世代リーダー候補となる5名を選抜し、プログラムを受講してもらうことにしました。 -今回のプログラムでは、演劇ワークショップというユニークな手法を取り入れたオントロジカルコーチングを体験していただきました。実際にコーチングを受けてみて、どんな気づきがありましたか? 橋本さん:参加者たちは、演劇ワークショップという予想外の展開に最初は戸惑いながらも、歌ったり、踊ったり、時には心の奥底から叫んだりと役に入り込み、思い思いに表現を楽しんでいました。 特に「この状況では、どう振舞えばいいだろうか?」「このセリフをどう伝えたら、相手に最も効果的に届くか?」「この表情で、役の心の動きをいかに表現できるか?」と自問自答しながら、様々な感情を表現しようとする姿が印象的でした。 自分とは異なる価値観や考え方を持つ人々の立場に立って心の動きを理解しようとする試みは、まさにリーダーシップ育成に不可欠な「共感力」を養う上で、非常に有効な経験だったと思います。「自分なのに自分じゃない」という不思議な感覚の中で、普段の自分では考えもつかないような行動や感情を体験できたのではないでしょうか。 また「一つのミュージカルを成功させたい」という強い一体感を持ち、集中して取り組んでいた姿が印象に残っています。互いを尊重し合い、協力し合いながら、普段とは異なる自分を引き出そうと試みているようでした。このような実践的な経験は、リーダーに大切な「コミュニケーション能力」や「自信」を養う上で、理論だけでは得られない貴重なトレーニングになったと思います。 園田さん:研修から戻ってきたメンバーを見て、私は率直に感動しました。皆、表情が輝き、目がキラキラしているのです。 難しいビジネス交渉でも、以前は、「こうしたい」「ああしたい」と自分の意見を一方的に押し出すような場面が多かったのですが、今では、相手との共感や理解を深めようとする姿勢が強く感じられます。ワークショップで学んだ表現方法を活かし、相手の心に響く言葉を選び、丁寧に説明しようとする姿に、彼らの成長を実感しました。 もちろん、これらのスキルを完全に身につけるためには、日々の業務の中で実践を重ねていく必要があります。しかし、今回の研修で得た経験と知識を礎に、彼らがさらなる高みを目指し、成長していくことを確信しています。 -リーダーの皆さんがコーチングを受けるようになってから、会社全体にどんな変化が見られましたか? 園田さん:プログラムを受講したメンバーは、社内全体にポジティブな影響を与えていると感じています。受講生たちには、全社会議でグループディスカッションのファシリテーターを任せるなど、積極的に活躍の場を与えていますが、彼らが堂々とリーダーシップを発揮する姿を見るたび、周囲の社員も刺激を受けているのが分かります。とてもいい循環が起こり始めていると感じていますね。 橋本さん:受講生からは「もっとやりたい」といった前向きな声が上がっていて、人事としても大きな手応えを感じています。 彼らの中に、新しい可能性が芽生えていることを実感しています。 日々忙しく働く中で、自分と向き合う時間を持つことは容易ではありません。しかし、このプログラムを通して、受講生たちは自分自身と向き合い、より自分らしい働き方を見つけることができたようです。仕事に対するモチベーションも上がり、どこかスッキリした表情の彼らを見ると、私たちも本当に嬉しいです。 園田さん:今後はこのプログラムを土台に、2期生、3期生と輪を広げていくことで、組織全体が一つの大きなチームとなり、互いを高め合いながら成長していく姿を想像しています。それによって次世代リーダーの育成だけでなく、会社のさらなる発展へとつながり、持続的な成長を実現すると確信しています。 ありがとうございました! 【会社概要】ウェストロック合同会社 スマーフィット・ウエストロックは、持続可能な紙とパッケージングのグローバルリーダーとして、40ヵ国で500以上のパッケージングコンバーティング事業と63の製紙工場を展開しています。日本法人であるウェストロック合同会社(2024年12月31日に合同会社に社名変更)は、創業1969年、日本のマルチパックのパイオニアとしてスタート。国内屈指の生産力を誇る「島田工場」は、マルチパック専用工場として1981年から稼働し、40年以上の実績があります。年間3億枚の供給能力を誇り、色彩や階調を忠実に再現できる「国内屈指のグラビア印刷機」を備えた生産設備があります。HP:https://www.westrock.com/company/japan 本記事は、35 CoCreation(サンゴ コ・クリエーション)の「note」にも掲載しております。

社員のエグゼクティブプレゼンスを高めるたった一つの方法

コーチングリーダーシップ人材開発

2024年12月16日

今回は、組織サーベイについての投稿第2弾です。組織や社員の課題を可視化する上で、サーベイは効果的なツールです。しかし、同じ評価項目であっても、その背景や文脈は人それぞれ異なり、時には深い理解や考察が必要です。 前回はサーベイに隠された社員の本音についてお話しましたが、本記事では、サーベイ結果の中でも特に改善に悩むことが多い「エグゼクティブプレゼンス」に焦点を当て、抽象度の高い評価結果から具体的な改善策につなげるための有効な方法を解説します。 エグゼクティブプレゼンスという「呪い」 コーチングにおいて、受講者から最も多く寄せられる課題の一つが、「エグゼクティブプレゼンスが低い」という悩みです。 人事評価で用いられることの多い360度サーベイで、エグゼクティブプレゼンスが低いと評価されると、多くの場合、「このままでは昇進は難しい」という判断を下されがちです。そのため、昇進を望む人たちは、エグゼクティブプレゼンスを高めるために必死になり、「自分はエグゼクティブプレゼンスがないからダメなんだ」と自信を失ってしまう人も少なくありません。 ではそもそも、『エグゼクティブプレゼンス』とは一体何なのでしょうか。「上に立つ人に求められる資質」「一流の存在感」とも訳されるこの言葉。一言で定義することは難しく、明確に答えられる人は、まずいないでしょう。捉えどころのない概念だからこそ、多くの人がエグゼクティブプレゼンスの呪縛に囚われているといえます。(私も実際、過去に自身のエグゼクティブプレゼンスが低いと評価された経験があり、形のない“ゴースト”に縛られ、苦しみました) 『エグゼクティブプレゼンス』という言葉に対する捉え方は、実に人それぞれ。 例えば、「発言量が少ない」だったり、「反対意見に対して自分の考えを明確に示せていない」だったり、エグゼクティブプレゼンスが低いとされる要因には様々な可能性があり得ます。 360度サーベイでは上司、同僚、部下、それぞれが異なる視点からこの言葉の意味を解釈しているため、まずはその多様な解釈を整理することがコーチングの最初のステップとなります。 涙のプレゼンターがグローバルリーダーに昇格するまで ここで一つ、エグゼクティブプレゼンスにちなんだ具体的な事例をご紹介します。 会社員のアキコさん(仮名)は、プレゼンなどで緊張すると涙が出てしまうという傾向がありました。プレッシャーを感じると呼吸が浅くなり、酸素不足で涙が出てしまう体質だったのです。英語でのプレゼンテーションでは、特にこの傾向が顕著でした。彼女は自分の考えを正確に伝えたいという強い気持ちから、極度の緊張状態に陥り、呼吸が浅くなることで涙が出てしまうのです。 しかし周囲からは、それが感情的な弱さだと認識され、すなわちリーダーになるべき立場としてはエグゼクティブプレゼンスが欠如していると捉えられていました。 彼女は、「ごめんなさい、これはちょっと体の反応なんです」と説明すればよかったのですが、周囲が勝手に「アキコさんはすごくつらいんだな」「プレッシャーに弱いんだ」と解釈し、そのフィードバックを繰り返すことで、アキコさん自身も「私はやっぱりプレッシャーに弱いから泣いちゃうのかもしれない」「やっぱりこういう場面でうまくできないから私はダメなのよね」と、次第にそう思い込んでしまったのです。 コーチングを通して、彼女は自分の意図と周囲の受け取り方の間に大きなギャップがあることに気づきました。何度かのセッションを通じて、体の反応を事前に察知しコントロールすることで、周囲の誤解を解けることに気づいた彼女は、呼吸法などのトレーニングを重ね、緊張を克服しました。その結果、アキコさんは、大規模なグローバルプロジェクトのリーダーとして活躍し、見事成功を収めることができました。 この事例からもわかるように、エグゼクティブプレゼンスは、様々な要素が複雑に絡み合ったものです。そのため、エグゼクティブプレゼンスを高めるためには、個々の状況を深く理解し、一人ひとりに合ったアプローチを選ぶことが求められます。 しかし、アンケート調査などでは、エグゼクティブプレゼンスのどの部分が問題となっているのか、具体的に特定するのが難しいことが多いです。例えば、「決断が遅い」「コミュニケーションが不十分」といった項目と、エグゼクティブプレゼンスの項目、どちらにも指摘があると、それらと関連付けられることがあります。 しかし実際にコーチングを通じてより深いレベルでの対話をしていくと、まったく別のところに、原因が判明することがあります。 特に、エグゼクティブプレゼンスのように、捉え方が人によって異なる抽象的な概念については、しっかり対話しながら、その人ならではの状況や背景を深く理解することが重要です。そうすることで、その人が抱える「見えない壁」を可視化し、具体的な解決策へと繋げていくことができるのです。 アキコさんのケースでは、自分の涙が生理的な反応であることを認められたことで、周囲の評価に振り回されることなく、自分自身を受け入れることができるようになりました。 その後の彼女が素晴らしかったのは、緊張で涙をこらえている自分と同じような人の存在に気づき、重要な会議の前に「まずちょっといいですか、みんなで深呼吸をしましょう」と提案したそうなんです。「今日すごく重要な局面で私も緊張してるので、皆さんも1回立ってストレッチして深呼吸しましょう」と。この行動は、グローバルなミーティングでも高く評価され、結果的に彼女を昇格させたのでした。 エグゼクティブプレゼンスを高めるたった一つの方法 アキコさんは、コーチングの中でこれまで心の奥底に隠していた傷や弱みを素直に打ち明け、自己と向き合いました。その結果、自己肯定感が大きく高まり、その心の余裕が周囲への行動に現れ、エグゼクティブプレゼンスの向上にも繋がりました。 アキコさんは、コーチングの経験を「癒された」と表現します。私たちは日常的に様々な評価に晒されていますし、特に仕事においては常にジャッジの対象。コーチングは、そんな日常から離れ、自分自身と向き合う貴重な時間です。アキコさんのように、コーチング後に「癒された」と感じるクライアントは多いものです。 それは、決して評価されない安全な空間で、これまで隠してきた心の傷や弱み、さらにはエゴや欲まで、ありのままの自分を受け入れてもらえるという、安心と信頼があるからこそです。 あくまでもサーベイは、より深い対話への入り口です。社員のエグゼクティブプレゼンスを高めるためには、信頼関係を築き、一人ひとりの心の奥底に寄り添うことが大切です。そうすることで初めて真の課題を捉え、解決策を見出すことができるのです。 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。今回は組織サーベイ編第二弾でした。コーチングの事例が少しでも皆さんのチームビルディングのお役に立つことができれば、嬉しいです。 今後も私のコーチングセッションの体験談やコーチングのテクニックをお伝えすることで、みなさんが組織のリーダーとして活躍するための参考になればと思っています。不定期にはなりますが、次回の投稿もぜひお楽しみに。

代表の桜庭が、アマゾンジャパンの人事350名が参加する1dayカンファレンスにて登壇しました

HR・人事知識リーダーシップ組織開発

2024年12月10日

日本初上陸“オントロジカル・コーチング”のアプローチに基づいた組織風土改善や、次世代のリーダーシップ開発、人材育成を手掛ける35 CoCreation(サンゴ コ・クリエーション)合同会社(本社:東京都渋谷区)代表の桜庭理奈は、2024年11月6日(水)に アマゾンジャパン合同会社(本社:東京都品川区上大崎 3-1-1 目黒セントラルスクエア)オフィスにて開催された、人事メンバー約350名が参加する1dayカンファレンス「Japan PXTCon」にゲストスピーカーとして登壇しました。 アマゾンジャパンとのコラボレーション背景 アマゾンジャパンでは、今年度初めて人事向けの1dayカンファレンスを開催することになりました。日頃さまざまな場所で働く約350名の人事が一堂に会し、学び、つながることができる場を提供するためです。テーマは「Best at Amazon, Best in Japan」とし、人事のプロとして事業を支援する人事メンバーが、今後の仕事で活かせる学びや自身のキャリアを考える機会となりました。 桜庭は複数の外資系企業での人事経験と、起業後の現在までの経験や経営におけるコーチングの専門性を評価され、今回ゲストスピーカーとして招かれました。 当日はアマゾンジャパン人事のみなさんが多くご参加 本カンファレンスは、アマゾンジャパンの目黒セントラルスクエアにて行われました。当日は約100名が対面で参加し、さらにオンラインでは全国のアマゾンジャパン人事部門のメンバーへリアルタイムで配信されました。 企業内人事からコーチング会社を起業した経験を、赤裸々に吐露しました 桜庭は、本カンファレンスの『HR キャリアディスカバリー』セッションに登壇しました。今回は『大人のリナが子どものリナと再会する話』というテーマで、桜庭の幼少期から学生時代、その後複数の外資企業での人事経験を経て、35 CoCreationを創業するまでの道のりをお話しました。 単なる経歴や人事のノウハウの共有ではなく、桜庭が人生の各段階で何を大切にしてきたのか、どのような揺らぎがあったのかなどについて、約1時間にわたって赤裸々に共有しました。 参加者とのQ&Aセッション セッション後、参加者の皆さんから多くのご質問や個別のご連絡をいただきました。本レポートでは、カンファレンスでいただいた質問の一部を、実際の会話形式でお届けします。 Q:なぜ人事の仕事をやりたいと思っていたのかお聞かせください。 A(桜庭):ご質問ありがとうございます。キャリアの最初は「営業・企画」や「人事」で、今は「コーチ」とラベルを貼ると全然違う仕事をしているように見えることもあると思います。ただ、私なりには根っこは全部つながっているんです。 結局、組織も人の集まりなので、そこにいる一人ひとりに、自信を持って、輝いてもらいたいんです 。組織の中で 「自分には無理なんじゃないか」とか「自分に意見がない」など思って自信をなくしている人に、「私、イケてるかもしれない!」とかそういう感覚を呼び覚ますお手伝いをしたいというのが、根本にありますね。私自身も今回の講演でお話しした通り、自分らしさを組織で出すことが苦手だった経験もあります。 だから、小さくてもいいので、その人がその人なりに輝いていけるようにするために、私は仕事をしていきたいと思っています。 Q:コーチングを求めていないリーダーに対して、HRやコーチとしてどのように声かけができるでしょうか。 A(桜庭):ありがとうございます。このご質問は、結構いただきます。私が関わってきたリーダーの中でも「今は変わりたくない」とかなり自分の中で決めていらっしゃる方もいたので、そのような方に向けては、今の時点ですぐにコーチングを行うことが適切でない可能性もあります。 ただそれで終わりではなくて、私なら、その人が変わりたくない理由を知ろうとすると思います。変わりたくない背景には、変わらないことで手放したくない何かがきっとあると思うんです。それは何なのか、勝手に想像して終わりではなく、そこに好奇心を持ち、話をするのが結構重要なんじゃないかなと思っています。 Q:今まで一番対話に苦労したリーダーのご経験があったら伺いたいです。 A(桜庭):そうですね。一番難しいと感じたのは、 主語に自分が一切出てこない人ですね。「このリーダーは...」とか「あの会社がさ...」とか言っている人。そういう人とコーチングや話をする時は、一回その話をストップして「そのストーリーの中で、あなたという主人公はどこにいるんですか?」と問うことが大切だと思います。そこをちゃんとフィードバックした上で対話を進めないと、時間だけが過ぎてお互い生産的ではありません。 ーアマゾンジャパンのみなさま、ありがとうございました!

Noteコラム|【イベントレポート】島根県出雲市で「企業で外国人社員をどのように活かすか」をテーマにパネルディスカションを実施

人材開発

2024年9月18日

35 CoCreationのNote記事掲載のお知らせです。 今回は、島根県出雲市で開催された、「外国人社員の活かし方」に関するパネルディスカッションの模様をレポートします。 多様なバックグラウンドを持つ人材が生き生きと活躍できるインクルーシブな職場環境を育んできた35 CoCreationの代表の桜庭理奈氏がモデレーターを務め、多様な背景を持つ人で構成される組織運営に携わっていたり、実際に外国人社員を雇用している地元企業の代表2名がパネリストとして参加しました。 パネルディスカッションでは、外国人社員の採用に関心を持つ企業の経営者や社員が集まり、活発な議論が交わされました。外国人社員の採用がもたらすメリットだけでなく、課題についても具体的な事例を交えて共有され、外国人社員を長く働いてもらうための組織作りについて、具体的なヒントが得られました。 島根発!ディスカッションと質疑応答から見えてくる、リアルな「外国人社員の活かし方」 ダイバーシティ&インクルージョンは、もはや組織のマネジメントに欠かせない要素になってきました。にもかかわらず、企業が外国人社員をどのように採用し、育成しているのかという現場の声を知る機会は多くありません。今回のイベントレポートには、多様な人材が力を合わせて働く組織を作るヒントが満載です。 自社の多様化を図りたいと考えている方や、外国人社員との共存について悩んでいる方は、この機会にぜひご一読ください。 https://note.com/35cocreation/n/n5bf638c89de8 外国人社員の採用を検討している方必見!

Noteコラム|なぜ仕事を抱え込んでしまうのか?“手放せない”リーダーの4つのタイプと処方箋

リーダーシップ人材開発

2024年9月2日

これまで多くのエグゼクティブコーチングを担当してきた中で、「自分が動かさないと何も進まない」「部下に任せるのが不安」「自分でやった方が早い」といった考えを持つリーダーを多く見てきました。しかし、こうした「仕事の抱え込み」は、リーダー自身の負担を増やすだけでなく、組織全体の成長を阻む要因にもなりかねません。 本記事では、そんな仕事を手放せないリーダーを4つのタイプに分類し、その背景にある心理と解決策を深掘りしていきます。Noteの記事をご覧ください。 https://note.com/35cocreation/n/n6004bddac8c2

JustCo主催イベント『Just Evolve 次の自分へ行け 』に桜庭理奈が登壇

コーチングリーダーシップ人材開発

2024年4月15日

次世代リーダーに求められるコーチングメソッドを紹介 2024年3月5日(火)JustCo新宿ミライナタワー(新宿)とBASE managed by JustCo(虎ノ門)の二拠点にて、コワーキングスペースJustCo主催イベント『Just Evolve 次の自分へ行け〜迷わず進め!新米リーダーを未来へナビゲート〜』に35 CoCreation合同会社 CEO 桜庭理奈が登壇しました。 業種も、役職も、ビジネスの規模も異なる様々な企業や個人が集まり、同じ空間を共有しながらそれぞれが成長を目指しJustCoを利用する方々の リーダーシップってなに? リーダーシップのために、なにをしたらいいの? よいチームや会社ってどんな組織なの? といったお悩みにこたえるため、桜庭から次世代リーダーの在り方やコーチングメソッドを紹介しました。 当日の桜庭の講演内容を抜粋しながら、イベントの内容を振り返ります。 組織文化づくりに必要なこと まず、林檎の木のように、組織には、カルチャー(空気感)、組織(木)、リーダー(土)、人材(根)の相関関係が存在し、これらがうまくシンクロすることが文化づくりで重要になります。 図1.組織、文化、人材、リーダーの相関関係 リーダーが実践する4種類のコミュニケーションアプローチ その上で、リーダーが実践するコミュニケーションのアプローチは以下の4種類があり、対話する相手に応じて使い分けていくことを意識することが重要です。 カウンセリング(過去志向・ASK型) メンタリング/アドバイス(過去志向・TELL型) コーチング(未来志向・ASK型) ティーチング(未来志向・TELL型) 図2.カウンセリング、メンタリング、コーチング、ティーチングの違い チームメンバーの育成を目指す際、目を向けるべきこと チームメンバーの育成を目指した対話を実践する際、チームメンバーの経験年数とリーダーによる権限移譲の相関関係に目を向ける必要があります。 実は過去志向のTELL型(教える)と未来志向のASK型(問いかける)コミュニケーションの間にはリーダーがぶつかる「魔の壁」が存在します。 教える相手の成長フェーズに合わせ、リーダー自身も変わる必要がありますが、これまでの型にはまり、「魔の壁」にぶつかることで未来志向のASK型(問いかけ)へとリーダーが成長できないケースが存在します。 そのような時は、自分が正解だとは思わず、常に「ひょっとして」という疑問を自分に投げかけ、俯瞰して状況を分析しつつ、謙虚な姿勢で答え探しをすることが大切です。 この「ひょっとして」という疑問を自分に対して投げかける習性を身につけることで効果的なコーチングの型を築きあげることができるのです。 図3.成長曲線の魔の壁:経験年数と権限委譲の相関関係 参加者の様子 講演の様子 会場:BASE managed by JustCo(虎ノ門) 講演の様子 会場:JustCo新宿ミライナタワー(新宿) 随所で講師の桜庭から参加者に対する質問やディスカッションが行われ、ワークショップのような双方向のコミュニケーションが見られる講演会となりました。 参加者がビジネス経験年数の少ない層からチームリーダー層まで幅広かったため、質問やコメントが多岐に渡り、参加者間での学びや共有が見られました。 始めから終わりまで参加者の高い熱量が感じられ、次回のセッションを求める声まで上がり、大盛況でイベントを終えました。 イベント概要 Just Evolve 次の自分へ行け〜迷わず進め!新米リーダーを未来へナビゲート〜 日時: 2024年3月5日(火) 場所: JustCo新宿ミライナタワー(新宿), BASE managed by JustCo(虎ノ門) 主催者:JustCo DK Japan株式会社 講師プロフィール 桜庭 理奈(さくらば りな)、35 CoCreation合同会社 CEO 元GEヘルスケア・ジャパン株式会社アジアパシフィック地域統括のHRビジネスパートナーとしてGEヘルスケア・ジャパンへ入社後、人事本部長、執行役員を歴任。 2020年に35CoCreation(サンゴ コ・クリエーション)合同会社を設立し、多様な業態や成長ステージにある企業で人事部長不在の企業間で、シェアドCHROサービスを開発提供し、経営・組織・リーダーシップ開発コーチング、アドバイザリー活動を伴走型で支援。経営者や人事担当者向けの執筆コラムも多数出版。 国際コーチング連盟認定PCCコーチ。一般社団法人日本オントロジカル・コーチング協会 代表理事。1on1コーチ、チーム・コーチ、ヘルス・ウェルネスコーチとして活躍中。愛知県出身 35 CoCreation合同会社について 35 Co Creation(サンゴ コ・クリエーション)合同会社は、「ヒトの心・身・信の3つの領域の真を統合することを通して、リーダーシップの進化を大胆に促進し、地球を次世代へ手渡していくリーダー人材を開発する」をミッションに掲げ、日本初上陸オントロジカル・コーチングのアプローチに基づいた組織開発、次世代のリーダーシップ開発、人材育成、組織風土改善を支援するコーチング事業を運営しています。 オントロジカル・コーチングは、自分自身の価値観・信条・倫理観、思考傾向など自身の在り方を理解することで行動習慣を本質的に変える、ヒト起点の改革を支援します。この改革を通じて、組織における価値創造、人材育成、組織改革を実現します。

【ユーザーレビュー】個人事業主としての変革:コーチングで見つけた自分と繋がり

コーチング

2023年2月13日

個人事業主として人事・組織開発・新規事業の支援などを行う傍ら、コーチングも手がける木村さん。会社を辞めフリーランスになるタイミングで35 CoCreation(サンゴ コ・クリエーション)のコーチングを受けられました。 自らもコーチである木村さんが桜庭を選んだきっかけは「ヘルスコーチング※」というキーワードでした。 木村さんはなぜそのワードに惹きつけられたのか? 実際に受けてみてどのような気づきや変化があったのか? 自身もコーチの顔を持ちながら、コーチングを受けたことで体得したこととは? 独立を前に、人との関わり方について課題意識を抱いていた木村さんが、一生続くような太い繋がりが増えていると感じるまでの変化について語ってくださいました。 ※ヘルスコーチング:健康的な行動変容を促し、メンタルヘルスケアを支援するコーチングメソッド。 35 CoCreation CEO桜庭の木村さんへのインタビューをグラレコにしました! 言葉の裏にも、敏感さゆえの不安が。独立は向き合うきっかけ 35 CoCreation合同会社CEO 桜庭理奈(以下、桜庭):木村さんがコーチングを受けようと思われた時に抱えていた課題や葛藤、その時の感情はどのようなものだったのでしょうか? 木村(以下、敬称略):会社員時代から、他者との関係において人の言外に敏感なせいか、メンタルに波がありました。ただ、当時は社内の人に頼ることができたので、あまり問題視はしていませんでした。 しかし、個人事業主として独立を考えるようになって、「これからは何事にも自分が向き合わなければならない」と思ったら、一度立ち止まってみたくなりました。「今までのようなメンタルの波を克服したい」、「心の持ちようを自分でコントロールしたい」と考えたのです。 また、自身がコーチングを学び始めたタイミングでもあったので、勉強にもなるかなとも思っていました。 桜庭:もしかすると、木村さんのお悩みへのソリューションはコーチング以外にも選択肢があったかもしれないのですが、それでもコーチングを選ばれたのには、ご自身の勉強以外にも何か理由はあったのでしょうか? 木村:タイミングとご縁の部分が大きいのですが、たまたま桜庭さんのFacebookの投稿を拝見して、そこで目に飛び込んできた「ヘルスコーチング」というワードにとても興味を持ちました。聞いたことのないワードでしたが、自分の課題はメンタルに関することだと考えていたので、これはいいのではないかと思ったのです。 桜庭:確かに、ヘルスウェルネスコーチングを希望されていましたね。 木村:そうなんです。あと、実際にコーチングをお願いする前に一度桜庭さんとお会いした時に、自分の思っていることを100%話せる方だと感じたことも決め手の一つでした。私は人とコミュニケーションする際に、「相手が心の中で考えていること」に対して過敏になるあまり、自分の考えをうまく伝えられないことが課題たったのですが、桜庭さんとの会話ではそんな靄のようなものを感じることなく、クリアな感覚で話ができたのが大きかったですね。 桜庭:なるほど。では、実際コーチングを始めるにあたり、どんなことを期待していましたか? 木村:それまでは人と向き合う際に、相手の心の動きを敏感に感じ取ってしまうことで、他者と関わり合うことにいつも不安を感じていました。ですが、個人事業主としてやっていくとなると、自ら動き判断することの連続です。 会社員時代には背を向けてきたことにいよいよ向き合わなければならないと思っていたので、とにかく不安を解消したかったです。相手の言葉を受け入れられるようになって、メンタルの波が小さくなって安定し、最終的にはメンタルを強くしたいと思っていました。同時に、自分の気持ちをさらけ出すことへのドキドキと、不安を解消できた時にどんな新しい自分が発見できるのかというワクワクもありましたね。 対話で飛んでくるボール、選別は“自分の権利”に目からウロコ 桜庭:実際にコーチングを受けてみて、自分や周囲に対しての気づきはありましたか? 木村:人とのコミュニケーションにおいて、相手から自分に向かって飛んでくる言葉・ボールを全て受け止めなくてもいいということに気づきました。私たちは日々の生活の中で周りの人の言葉や考え方、メディアから流れてくる情報を浴びながら生きていますが、そこから何を、どれくらい、どのように受け止めるのか自分で選んでいいというのは、文字通り目からウロコでした。 桜庭:コーチングのどの局面で、その気づきがあったのでしょう? 木村:コーチングが始まって3〜4か月目くらいでしょうか。自分の課題を解決する上で、「なぜ初めての人と話すことが不安なのか?」、「自分は何を恐れているのか? 」ということに目を向けなければならないと思っていましたが、その原因は、人と話をする際に相手のレスポンスを気にしすぎてしまうからだと気づきました。それからは、どんなレスポンスであっても、「何を受け入れるかは自分で選べる」と思えるようになったのです。 桜庭:そこに選択肢があるのだから、恐れる必要はないと気づいたわけですね。 木村:そうですね。選択肢があるということは、つまり選択しないこともできる。最悪スルーしても構わないのだと気づきました。たしかこの頃、イメージトレーニングを行ったと記憶しています。目を瞑って、自分に向かって飛んでくる言葉のボールをどうキャッチするのか? をイメージするというものでしたが、第三者的な自分を置いて俯瞰して見た時に、全てが自分に向かっているわけではない。取れるボールもあれば、避けてもいいボールもある。違う方向へ飛んでいったら、「行っちゃった」と見送ればいいと“体で感じた”のです。これは初めての感覚で、とても新鮮でした。 桜庭:その気づきから、行動はどう変わりましたか? 木村:人と話す時に、イメージトレーニングのように一歩引いて第三者的な目線で話すようになりました。自分を客観視できるので主観を入れずに人の話が聞けますし、自分と違う意見でも「そういう風に考えているのですね、なるほど」と、受け取る側としての度量が大きくなりました。 そうすると、相手の考えを否定することなく、適切な距離を保って前向きな議論ができるようになりました。 桜庭:行動が変わったことで感情的にも変化はありましたか? 木村:受け取る構えができたことで、一喜一憂しなくなりましたね。喜びすぎず、凹みすぎず、どちらもコントロールできている感覚です。感情の波が小さくなったので、気持ち的にはリラックスして穏やかに過ごせることが多くなってきました。 相手側にも選択権。そう思うと、人目を気にせず自分らしくなれた 桜庭:コーチング前に期待していたことが実現できているのですね。木村さんが、コーチングの中で記憶に残っている問いや対話はありますか? 木村:印象的だったことは、具体的な問いというよりも、先ほどもお話したイメージトレーニングでしょうか。目を閉じて、自分の呼吸に集中して、体のどの部分でどう感じるかを考えるという。 桜庭:「今出てきた感情は、体のどこで感じますか?」「その状況を思い浮かべた時に体を動かすとしたら、どこをどのように動かしますか?」といったイメージトレーニングでしたね。 木村:コーチングの要所要所でやりましたよね。桜庭さんに適切な整え方をしてもらえたので、自分自身をスーッと感じられる場に身をおけました。この時の感覚は今でも体の中に残っています。例えば、受け取らなくてもいい言葉が飛んできた時に、本能的に避けられるというか、反射神経がよくなった気がします。 桜庭:変化を体に取り込んだ感じですね。その上で、コミュニケーションに変化はありましたか? 木村:自分に選択権があるように、相手側にも選択権があると思うことで、以前よりも自分の言いたいことが気軽に吐き出せるようになりました。伝えたいことを伝えた上で、それを受け取ってくれる人とは信頼関係が深まってきているように思います。 桜庭:伝えることを伝えたときに、それを受け取るか受け取らないかは相手次第だとわかったから、自分で言い切れるようになったということなのでしょうね。木村さんの言葉を受け取ってくれる人との関係性については、何か変化を感じていらっしゃいますか? 木村:密に仕事ができるようになりました。繋がりの線が密になっているし、強固にもなっていると思います。 桜庭:逆に細くなっていく人もいるのでしょうか? 木村:接触頻度が下がる人はいると思います。しかし、基本的に木が根を張って様々なところと繋がっているのと同じように、人間も面識のあるなしに関わらず、社会のどこかで繋がっていて相互作用しているものだと思っています。然るべき時に然るべき縁で繋がりが太くなったり、距離が近くなったりするのかなと。 桜庭:それはコーチングでの変化を経て感じられたことですか? 木村:元々持っていた考えではありましたが、どこかで人が離れていくことや、人の目を強く気にするところはありました。しかし、今は人からどうみられるかを過度に意識しなくなって、楽になったし、自分らしくいられるようになったと思います。心をオープンにしていても、受け入れるかどうかは自分で選べると思うと、殻をかぶる必要はないですから。 伝えたいことを伝えた上で、繋がりが密に強固に 桜庭:木村さんの変化について、周囲から何かフィードバックはありましたか? 木村:直接的なフィードバックはありませんが、周りの環境が変わってきていると感じています。例えば、話したいと思った人と話す頻度が増えたり、相談だけでなくちょっとしたアイデアなどもテキストですぐ送ってくれたりするような距離感の人ができました。 桜庭:新しい関係性が築けているのですね。 木村:そうですね。ビジネスパートナーや友人というより、大袈裟かもしれませんが、同じ時間を生きている共同体というか、一生続くような強固な繋がりができています。出会いのきっかけは仕事でも、利害関係なく付き合える人が増えてきているように思います。今はとても心豊かで、心地よい状態でいられます。 桜庭:幸せなことですね。最後に、もし木村さんが私のコーチングを誰かに勧めるとしたら、どのような人に勧めますか? 木村:なかなか本音を言えない、自分のことを話せない人ですかね。もしくは一般的なコーチングで成果が出ていないとか、何か違うと思っている人などにお勧めだと思います。 桜庭:痒いところはあるけれど、それがどこなのかわからないというような感じでしょうか? 木村:そうそう、そんな人たちには、さまざまな角度からコーチングを見ることができて、資格も実績も豊富な桜庭さんのプログラムが最適だと思います。 桜庭:ありがとうございます!今日は私自身元気になりました! 編集後記(桜庭) コーチングは言葉を介して対話をするプロセスではありますが、その中で心(感情)・身(体感・所作)・信(信念)の一貫性が高まるにつれ、クライアントの体感や感情に本質的な変化が訪れていく様子を、今回のインタビューでリアルにお伺いしました。ヘルス&ウェルネスコーチングは、特にクライアントのウェルビーングに焦点を当てたコーチングであるからこそ、サンゴのオントロジカル・コーチングのアプローチがばっちり合致しました。クライアントが自分自身の変容だけに留まらず、自分発信のインサイドアウトで「勇気の輪」を周りに波及させていく様子に、感動しました。

【ユーザーレビュー】35 CoCreationのコーチングでモヤモヤから抜け出す

コーチング

2022年12月20日

人材系ベンチャー企業で営業職を担当する中山さん(仮名)。周囲から求められることや自分のやりたいことはわかっているのに、思うように動けずモヤモヤする日々を過ごしていた時に、35 CoCreation(サンゴ コ・クリエーション)のコーチングを受けられました。過去にもコーチングを受けた経験があったことから、状況を打開するには「これしかない!」と思ってスタートしたそうです。 コーチングの持つ力を身をもって知っていた中山さんが、桜庭とのセッションで新たに見つけたこととは……? 得られた変化や、今後の活かし方とは……? 丁寧に語ってくださいました。 35 CoCreation CEO桜庭による中山さんへのインタビューをグラレコにしました! モヤモヤの言語化、課題とゴールの設定、自分にできるのか?! 35 CoCreation合同会社CEO 桜庭理奈(以下、桜庭):コーチングを受ける前の状況と当時の葛藤について、聞かせていただけますか? 中山さん(以下、敬称略):一言でいうと良い状態ではなかったです。社内の立場も変わった時で、「やりたいことがあるのに、なぜ動けないのかわからない」「マネジメントとの向き合い方がわからない」など様々なモヤモヤを抱えているのに、その打開策もわからなかったのです。 桜庭:そのような時に、なぜコーチングだったのでしょう? 中山:自らの思考の癖が思考を制約していることはわかっていたのですが、その癖が何なのかがわからないことが問題だということには気づいていました。過去にもコーチングを受けたことがあったので、「これはプロに頼るしかない!」と、直感的にコーチングが思い浮かびました。 桜庭:コーチングの成果も体験された上で、今回私とのセッションでは期待や不安はありましたか? 中山:突破口が開けることを期待していましたね。私は基本的に内向的なので、内省はできる方だと思っていたのですが、それでもモヤモヤの原因が分からなかったので……。同時に、複合的な悩みをうまく整理して、言語化して伝えられるのかという不安もありました。 コーチングセッションでは、毎回「今日は何を話したいですか?」「どういう状態で終わりたいですか?」という問いから始まります。課題とゴールの設定を自ら主体的に行うことを突き付けられるので、「やばい、ちゃんとしなきゃ」と毎回自分を奮い立たせていました。 ただ、桜庭さんの包容力のおかげで、桜庭さんの前では子どもになるというか、不思議と甘えたくなってしまうので、素直に対話ができるだろうという安心感はありました。 見えてきたのは経験不足と心の傷。「そりゃそうだ」と腹が据わった 桜庭:光栄ですね。実際コーチングを受けてみて、どんな気づきがありましたか? 中山:今回、「やりたいことがあるのになぜできないのか?」「マネジメントの位置付け、向き合い方は?」と二つのテーマを持って望んでいたのですが、それぞれ俯瞰して見ることができるようになって非常にスッキリしました。 まず一つ目については、これまで自分は周囲の期待にはハイパフォーマンスで応えてきましたが、自分の大切にしたいことや、実現したいことに向かって行動するという経験はあまりしてこなかったことに気づきました。経験がないからわからないし、暗中模索して動けなくなっていましたが、至ってシンプルなことだったのだなと。経験不足でシナプスが繋がっていないというか、「思考の筋力が足りていないな」、「脳の筋トレが必要だな」と感じました。 二つ目については、マネジメントの立場になってから立て続けにメンバーが辞めてしまったことが心の傷となり、メンバーとうまく向き合えなくなっていたことに気づきました。 これまであまりうまく人間関係を築くことができず、人の変化にも気づきにくく、成長を喜ぶ余裕もないのに、周囲に薦められるままにマネジメントの立場になったので、あまり実感がなかったのだと思います。だから、メンバーの退職も淡々と受け止められていたと思っていました。でも、コーチングの対話の中で、話しているうちに涙が止まらなくなってしまって。自分が思っていた以上に辛かったのだと、その時初めて自覚しました。 どちらも俯瞰してみてみればとてもシンプルなことで、「そりゃそうだよね」と腹が据わった感じがしました。やっとスタートラインに立てたという思いでした。 気持ちと体感。言語化し俯瞰すると、心配しすぎる自分が滑稽に見えた 桜庭:自分の中の“ミニ中山さん”と同じ方向を向いて手をつなげた感じですかね。俯瞰することでとおしゃっていますが、そこに向かう過程で、もしくは全体を通じてコーチからの問いや会話で印象に残っていることはありますか? 中山:「その時の体の感覚は?」「その時の気持ちは?」と、私の気持ちとその時の体感をよく聞かれたのが印象的ですね。 それまで思考と体の反応を結びつけて考えたことがなかったので、思い出そうにも思い出せなくて、答えるのが難しかったです。 でも、よく考えてみると、「メンバーと話をしている時、過去の人間関係での辛い経験から、苦手意識で顔がこわばってきてしまって、すると相手からも居心地の悪そうな空気が漂ってくることがあったな」と、少しずつ言語化できるようになりました。 そうして言語化したことを頭の中で再現し、自分と相手、それをバルコニーから俯瞰してみている第三者のそれぞれの視点からみるワークをしました。これが面白かったというか、第三者として見た自分が滑稽に思えたのです。考え過ぎて、いらない反応をしているなと。 桜庭:文字通り俯瞰してみることができたのですね。コーチング後、チーム内でのコミュニケーションに変化はありましたか? 中山:コーチング前は、もともと人と関わることに苦手意識があって、正直面倒だと思って深く関わることを避けていました。感情が表に出ないタイプということもあり、若い人や新人には特に怖がられていたと思います。 コーチング後は、確かに面倒かもしれないけれど、「あの時大変だったけど、仲間と頑張ったね。青春だったね」と言い合えるような熱い関係性に憧れる自分にも気づいて、まだまだ恐る恐るではありますが、歩み寄ることができるようになりました。最近では他愛もない会話もできるようになって、自分でも頑張っているなと思います。 思考の枠は自分では気づけない。思考ループにハマったらコーチング 桜庭:頑張っている中山さんに対して、周囲からはどのような反応がありますか? 中山:私がコーチングを受けていた頃、社内でも「内面的なことに向き合う」ことを実践している人が多くいました。そんな中で上司と話す機会があって、メンバーの退職に関して上司も悲しかったことを知り、共感度がかなり上がりました。すると、他のこともお互いにフィードバックし合えるようになりました。 桜庭:人間的な部分をさらけ出せるようになったということでしょうね。 中山:そうですね。それまでも関係性はよかったのですが、より人間的な共有をもっと早くにできていればよかったと思いました。 桜庭:ご自身にとっての一番の変化はどのようなことでしょう? また、それを今後どう活かせそうですか? 中山:モヤモヤの要因が分かってスッキリ前向きになれたことですね。 身についていると言えるほどまだ浸透はしていませんが、自分の「体」と「気持ち」を紐付けて考えるようになりました。それによって物事を俯瞰して見ることができるようになったので、目の前のことにモヤモヤするのではなく、「なぜそうなっているのか」に早く気づけるようになったと思います。悩み解決へのアプローチの引き出しも増えたような気がします。 桜庭:中山さんの体験を踏まえて、どんな人にコーチングを勧め たいと思いますか? 中山:理由は分からないけど動けなくてモヤモヤしている人や、思考がループしている人におすすめです。コーチングはそこから抜け出せる早道だと思います。自分の思考の枠組みや無意識の制約には自分では気づけないですから。 私の場合はコンフォートゾーンに長くいて、そこから抜け出したい、自分を変えたいと思っていた過渡期に、意思はあるのにうまくいかない状況でコーチングを受けたのが、タイミング的に非常によかったと思います。同じような状況の人にはぜひ受けてもらいたいですね。 桜庭:とても力強いお話をありがとうござました! 編集後記(桜庭) ご自分で内省ができる方でも、ある一定の思考パターンを、自分ひとりで打破することの難しさを改めて感じました。伊藤さんのお話を伺って、コーチという「パートナー」に伴走してもらうことで、まずは自分の思考パターンや自分のあり方を観察するということですね。すぐに行動を起こすのではなく、見つめなおしてみることで、自然とこれまで存在しないと思い込んでいた選択肢が浮かび上がってくるプロセスを、細やかに言語化していただいたと感じます。慣れ親しんだ場所から出るというのは、聞こえはいいですが、恐れや恥、不安など、様々な感情と向き合うプロセスから、自分ひとりだけでは、二の足を踏んでしまいがちです。そのような時こそ、信頼できるコーチの存在はとても意義のあるものになりそうです。

アルムナイ制度の利点と展望:離職と再雇用、そして組織の未来

組織開発

2021年12月22日

アルムナイ制度が注目を浴びる理由 終身雇用制度の崩壊、それは、企業側ではなく雇用者側の決断で転職といった離職が進むことも意味します。欧米のように転職(起業を含む)でキャリアアップを図ることも多くなったため、社内での長期的な人材育成が難しくなってきているのが実情でしょう。加えて各々の仕事に、より専門性が求められるようになっているため、リファラル採用など、必要な人材の「決め打ち採用」がミスマッチを防ぎコストパフォーマンスが良いとされ、その方法が模索されています。 そんな中において、すでに自社での実績があり、社のフィロソフィなどにも一定の共感を得ていることが確実な”アルムナイ(OB/OG)”は、もっともミスマッチが起きにくい人材プールだと言えます。 再雇用はまだまだ人づて・縁故 従業員5,000人以上の大企業の20%強が公式の再入社制度を持っています。パーソル総合研究所 コーポレート・アルムナイ(企業同窓生)に関する定量調査によると、再入社した人の75%以上は人づてや縁故で入社しているといいます。元上司からの仲介であれ、同僚からの仲介であれ、在職者からのアプローチで入社している実情があり、組織的に退職者と関わりを持ち続けることは、再雇用の促進には有効だといえるでしょう。 再雇用できる人、組織とは 会社とのベクトルの違いで退職した人は、再雇用の対象にはなりにくいです。人間関係への不満で退職した人も、既存社員が丸ごと変わるわけではありませんし、一種のトラウマみたいなものもあるでしょうから、そもそもアルムナイ的システムに組み込まれることを避けようとするかもしれません。 一方で、ミッション・バリューに共感はしつつも、自身のキャリアやスキルの面で物足りなさやずれを感じて転職した人、もしくは家庭の事情で致し方なく退職した人であれば、再入社の意向も高めです。「隣の芝は青く見えたけど、いざ行ってみると元の芝がよかった」というのはよくあること。こういった人を「会社を見限った裏切り者」と捉えるのではなく、会社を超えて出向させる制度があるように、転職=外部での修行(研修)期間でスキルを磨いた人と思える組織・風土であれば出戻りもしやすく・受け入れやすいのではないでしょうか。出産・介護など家庭の事情での退職については、いつ戻ってきてもいい制度があってもいいかもしれません。 その人が対象となるか判断するためには、退職時の本気の慰留と、退職理由など本音をしっかり聞き出すことが重要です。また、再入社のほとんどが人づてということは、逆に自分を知った人がいないと再入社が難しいと思われている可能性もあります。人物評価を含め、対象者の知り合い(元上司や同僚など)以外でも、企業側が気軽に声をかけられ、雇用側も相談できるといった、採用の判断や手助けができるシステム運用が求められるでしょう。 再入社の弊害を回避するには? 再入社の最大の弊害は、現場のメンバーが納得しない場合、関係がギクシャクして業務に支障をきたす恐れがあることです。ただ、上司や同僚が外部から突然やってくるというのは出戻りでなくてもあり得る話なので、出戻り者の以前の評価が(特に人物評価)良くない場合が多いのです。これに対処するには、なぜ今会社がその人を必要としているのか?を現場にしっかりと説明する必要があります。場合によっては、なぜその人が退職したのか、当時の思いはどんなものだったのかも説明する必要があるでしょう。 逆に、再入社した側も出戻りであることから、公平に評価してもらえないのでは?との不安もあります。実際に、公平に評価できないという管理職も一定数いますし、待遇・報酬は再入社後の方が低い傾向もあります。これは、再離職の要因にもつながりかねないので、スタート時点の待遇は致し方ないとしても、昇給などの評価基準を明確にするなどして、不安を取り除く必要があります。 再入社した人は、再び雇用してもらえた感謝と恩返ししたいとの気持ちで、仕事へのモチベーションがかなり高いですし、必要なスキルを携えて入社しているので、しっかりとフォローすれば、貴重な人材になるはずです。 アルムナイ構築のメリットは再雇用だけではない コスパの良い採用のための人材プールとして有益とされるアルムナイですが、いくつか構築メリットがあります。まずは再雇用、業務委託・発注先といった「協業」、ポジティブな評判の拡散、ネガティブな評判の抑制といった「ブランディング」、サービスや商品のファンといった「顧客」です。 どれか一つの目的ではなく、相互的に作用しますが、各企業の特色は出てくるようです。 キャリア採用に積極的に活用(すかいらーく) すかいらーくグループは、Come back社員として採用ページにて事例を紹介しています。グループの店舗数は多業態で多数あり、例えば配偶者の転勤などで退職した人が、転勤先の店舗で再雇用されるといった例もあります。またアルバイトから他企業を社員として経験して戻ってくるケースもあります。職場を離れても、客としてお店に通ったり、現役社員・アルバイトと友人関係として繋がりやすい環境もあるようです。 退職者をネットワーク化、協業の強化(リクルート、電通) リクルートでは、公な制度ではないものの、退職を「卒業」、元従業員(契約・パート社員を含め)を「元リク」とよび、通称「帰ってこいよ制度」をかなり前から取り入れています。人材輩出企業とも言われる同社、退職者のネットワークは仕事においても、プライベートにおいてもかなり大きいものです。退職者にも希望すれば社内報が送付され、Facebook上には「MR会(もとりくのかい)」といったグループもあります。ただ、MR会は会社が媒介しているわけではなく、有志のネットワーク。出戻り社員もいますが、どちらかというと卒業後も有益に仕事上で繋がれるネットワークの色が濃いのが特徴です。 電通も2020年に「終身信頼」を目指し、独自のアルムナイネットワークを構築、業務パートナーとして関係性を続けていくことを前提に早期退職者を募りました。 コアなファンでもある退職者(スープストックトーキョー) スープストックトーキョーでは、バーチャル社員証なるものを発行して、退職者でも現職者同様、割引サービスが受けられるなど、退職後も繋がりを持つシステムを構築しています。時には新商品の試食会を退職者対象に行うことも。これらのイベントは同窓会的な意味合いも持っていて、再雇用のケースはまだ少数ながらも、商品や会社へのエンゲージを退社してなお高いものにしています。 退職時と再入社時のコミュニケーションが肝! 一般的に言われるアルムナイのメリットは、採用のミスマッチを減らせることや、協業関係を構築できることですが、デメリットとしては、復帰する現場のメンバーが良く思わない、情報漏洩の危険性があることなどが挙げられます。また、再雇用を企業側から提示する場合は特に、その人が退職した時の面談などでネガティブな印象を与えていないか?が問題になってくるようです。調査によると、元の会社のサービスに対してはネガティブでなくても、会社に対してはネガティブに感じている割合がかなり高いのです。退職面談は人事部より上司が行った方が影響力が高く、「何を求めて辞めるのか」など退職理由に理解を示すとともに、「不満だったことは何か」「聞いておきたいこと、言っておきたいことはないか」など“心のうち”を丁寧に引き出すことで、ポジティブな印象を持って退職してもらえ、のちのアルムナイにも繋がっていきます。 逆に再雇用の時は、離れている間にどんな経験をして、どんな期待値で再入社してもらうのか?を明確にする必要があるでしょう。 退職することは「ネガティブ」なことではなく、お互いにとって「ポジティブ」なことであること、一度一緒に働いた者はその後も仲間であること、そして再雇用はその仲間と再び働けることという考えを浸透させるためには、普段から、キャリアのことを語り、仲間意識を高めるコミュニケーションが取れていることが大事ではないでしょうか。 特に新卒は「育ててもらった」恩義も感じていて、アルムナイの意識が高くなるといいます。また、学校の同窓会に積極的に出る人、学生時代からの交流を続けている人、社内の交流を積極的に行う人もアルムナイの意識が高いといいます。同期会や、現役を含めたOB/OG会、社内での呼応流会など、「母校」への愛よろしく「母社愛」を育める風土をいかに作るか。アルムナイは単なる名簿作成・運営ではなく、企業風土の醸成なのかもしれません。 桜庭 理奈 2020年に35 CoCreation合同会社を設立。経営・組織・リーダーシップ開発コーチング、講演活動を通して、多様なステージにある企業や経営者を支援している。