「なぜ評価されない?」社員の不満を解消!コーチングで築く、会社と個人の信頼関係
2025年9月2日
ハバス・ヘルス株式会社
| 業種 | 外資ヘルスケア広告代理店 |
|---|---|
| website | https://www.havaslife.co.jp/ |
今回は、グローバルで活躍するハバスグループの一員であり、日本で急成長を遂げるHavas Life Tokyo様が導入された「ピープル・リーダーシップ・ワークショップ」の体験談をお届けします。
2020年に日本で設立された同社は、製薬関連の広告代理店として、わずか5年で数名規模から50名体制へと拡大しました。これまで「フラットな組織」を強みとして成長を牽引してきましたが、その急成長の陰で新たな課題に直面します。
今回は、同社人事マネージャーの杉田大介さんとオペレーションディレクターの三谷武さんに、研修導入の背景からその具体的な目的まで、詳しくお話を伺いました。
リーダー育成に奮闘する同社のリアルな声に迫ります。
急成長と多様性が生んだ組織の「バラつき」とマネジメントの壁
ーHavas Life Tokyoが今回のワークショップを導入された背景には、どのような課題があったのでしょうか。
杉田さん: 2020年に数名の小さなチームで始まった当社は、わずか5年で従業員50名規模の組織へと急成長しました。そしてこの成長の裏で、いくつかの組織的な課題が出てきました。
その一つが、メンバー間の「バラつき」です。これまで本格的なマネジメントトレーニングを実施してこなかったため、社員のスキル、マインドセット、そしてピープルマネジメントの経験や手法に大きな差が生まれていました。
「フラットな組織」という言葉は聞こえが良いのですが、実際には統率が取りにくく、組織全体として同じ方向を向いて進むのが難しい状況でしたね。
三谷さん: 組織である以上、個々がバラバラに動いていては機能しません。そのため、今年に入ってから人事的な階層を見直し、新たにミドルマネージャー層を設けることで組織の再編を行いました。
具体的には、トップリーダー以下フラットだったチームに、ミドルリーダーを配置しました。レイヤーを設けることで、チームメンバーへよりきめ細やかなケアを可能にするためです。
しかし、形だけ整えてもすぐに機能するわけではありません。そこで改めて、ピープルマネジメントの教育が不可欠だという認識の元、プログラム導入に着手したんです。
ープログラムを導入するにあたり、どのようなゴールを設定されましたか?
三谷さん: 広告業界全体の離職率は、決して低いとは言えません。私が以前勤めていた会社でも人の入れ替わりが激しく、「使い捨てのように人が去っていく」状況に不満を感じていました。
しかし、本来、会社という組織は、キャリアを築く上で重要な場であることはもちろん、人生そのものにも深く関わる大切な存在です。会社と個人が「互いに何を与え、何を得るのか」という関係性を正しく共有すること。これは、単なるキャリア形成に留まらず、人生をより豊かにするために不可欠です。
特に、目に見える「仕事仲間との出会い」は、その人の人生にとってかけがえのない財産。そういった意味でも、部下の人たちが「この会社にいることで自分も成長できそうだ」と心理的に充足感を感じられるように、リーダーの皆さんには対話を重ね、成長の機会を一緒に考えてもらいたいんです。
当社にも、多様なバックグラウンドを持つ社員が集まってきています。だからこそマネージャーには、部下がどのようなキャリアを築いていきたいのか、そのステップを具体的に描けるようになってほしいと思っています。
杉田さん: 今年は特に、1on1でのパフォーマンスレビューに力を入れています。現在、ジョブディスクリプションを明確化しており、これを基に、マネージャーが、チームメンバーとの1 on 1で、より具体的で建設的なフィードバック、並びにキャリアカウンセリングができるようになることを目指しています。しかし、単に評価基準があるだけでは十分ではありません。
メンバーの心に響き、実際の行動変容に繋がるフィードバックをするためには、一人ひとりの性格やスキルレベルに合わせたコミュニケーションが求められます。
そのために最も重要なのが、まずマネージャー自身が自分を深く理解することだと考えています。自分を理解しているからこそ、相手の個性を受け入れ、最適なアプローチをすることができます。研修を通して自分と向き合い、自己マネジメント、そしてチームマネジメントと段階を踏んで知識を蓄え、実践へと繋げていくことこそ、目指すゴールと考えています。
本音で対話し、組織を動かすリーダーを育む
ー今回は半年間かけて合計3回のプログラムを予定しています。現時点ではまだ1回目が終了したばかりですが、実際やってみての所感はいかがでしたか?
杉田さん: 第1回目は、1日半にわたるグループ研修でした。これほどまとまった時間を研修に費やすのは初めての試みでしたが、事後アンケートでは全員が「満足」もしくは「すごく満足」と回答する、非常に良い結果が出たんです。
参加者は11人のリーダー層。この規模感も、対話にはちょうどよかったのかもしれません。普段抱えている悩みや、人前では話しにくいようなデリケートな話題まで、皆が驚くほど素直に話してくれましたね。
講師の桜庭さんは一方的に知識やノウハウを伝えるのではなく、質問を投げかけながら意見を引き出すインタラクティブなセッションを展開してくれました。こうしたアプローチや雰囲気が、本音での対話につながったと感じています。
三谷さん: グループ編成についても事前に桜庭さんと綿密に相談させていただきました。予め参加者のパーソナリティをご共有したうえで、仕事上のセクショナリズムや既存のバイアスを可能な限り取り除き、受講者がフラットに話し合えるように考慮していただいたんです。
受講者がオープンに自己開示できたのは、そういった配慮によって心理的安全性の高い空間を作ってくださったところも非常に大きかったと感じています。
ー第1回目のワークショップを終えて1カ月ですが、感じている変化はありますか?
三谷さん: 私は現場のマネージャーと接する機会が多いのですが、研修内容が非常に深く浸透していると実感しています。例えば、研修で学んだ「レジリエンス(回復力)」という言葉が日常会話で自然に出てくるようになりました。
また、ビジネス行動スタイルを分類するエクササイズを実施したことで、「あの人はこのタイプだね」といった会話が当たり前のように聞かれるようになりました。クライアントと接する際にも「このタイプだから、こういうアプローチをしよう」といった考え方が、ごく普通に会話の中に入ってくるようになりましたね。
杉田さん: マネージャーのチームリーダーとしての自覚や、部下への接し方にも明らかな変化を感じています。以前はよく耳にした「部下が上司に報告しても、上司が何もしてくれない」といったチーム内の不満が、ほとんど聞こえなくなりました。今回の研修を通じて部下とのコミュニケーションがより密接になったことが改善につながっているのだと思います。
グローバルと日本、カルチャーギャップのチューニング
ー今回のプログラムは、グローバルの視点と日本の現場の「目線合わせ」も一つのテーマでした。
杉田さん:世界中で事業を展開するハバスグループには、グローバルで統一されたマネジメントのトレーニングツールが存在します。今回の研修は、ちょうど日本国内でこのツールに基づいた対面でのトレーニングが求められていたタイミングでもありました。
このグローバルのトレーニングツールは、非常に論理的で一見完璧に見えるんですが、これをそのまま「正論」として日本の現場に導入しても、すんなり納得してもらえるかというと、そう簡単ではありません。
日本はハイコンテクスト文化なので、単に論理的な正しさだけでなく、組織のヒエラルキーや個々の背景も重要。桜庭さんの言葉を借りると、西洋と同じトレーニングを日本で行っても、文化背景が異なれば、伝え方やその響き方も変わってきます。
例えばその中の一項目、「エグゼクティブプレゼンス」は、良くも悪くも西洋的な価値観が色濃く反映された概念です。西洋的なリーダーシップそのままに、積極的に自己主張するやり方を日本に持ち込むと、「高圧的」や「空気が読めない人」と思われてしまうリスクがあります。
エグゼクティブプレゼンスは確かに必要ですが、日本においてはどう表現すれば違和感なく受け入れられるか。グローバルな感覚と日本の感覚、その両方を持ち合わせている桜庭さんだからこそ、調整役となってうまくインプットしてくれたと、感謝しています。
会社と個人の成長を繋ぐ、信頼関係の構築へ
ープログラムはまだ続いていきます。今後の期待を教えてください。
杉田さん: 人事として、「なぜプロモーション(昇進)しないんだろう」「これだけ頑張っているのに、なぜボーナスがもらえないのか」といった声をたまに耳にします。これは裏を返せば、自分のことを深く理解できていなかったり、会社が求めていることを正確に認識できていなかったり、あるいは会社の方針と自身の目標がずれていたりすることが原因です。マネージャーには、まず部下たちにこの「気づき」を与えてほしいと思っています。
具体的には、ジョブディスクリプションと年頭に立てた個人のゴールに基づき、「あなたはこれが足りていないが、ここはできている」「次のキャリアステップとしてはここを目指そう、そのためにはこのスキルが足りないね」といった形で、明確な言葉でフィードバックやキャリアカウンセリングを行い、次に目指すべき道を示すことができるマネージャーになってほしいですし、そのためのインプットと実践を、積み重ねていってほしいと思っています。
もちろん、マネージャーだけが完璧になれば良いというわけではありません。マネージャーの行動が変化していくことで、フィードバックを受け取る部下たちも、ただ不満をぶつけるのではなく、「どう上司に伝えれば動いてくれるのか」「どのように建設的なフィードバックをすべきか」「会社視点、相手目線で考える」といったスキルを身につけてほしいですね。
三谷さん:会社に対して不満ばかり抱えていると、「会社は何もしてくれない」「自分を見てくれていない」と感じてしまい、会社との間に信頼関係は生まれません。杉田さんの言うように「自分は頑張ったのに、何も評価されない」という一方的な考え方もまた、同様に良い結果にはつながりません。
私たちは、会社の成長と個人の成長が重なり合うことが大切だと考えています。そのためには、会社と社員、上司と部下の間に心理的な信頼関係と、お互いを深く理解し合う関わりが欠かせません。この目標に到達するにはまだ時間がかかるかもしれませんが、今回のプログラムは、その実現に向けた大きな一歩になったと強く感じています。
■Havas Life Tokyo
Havas Life Tokyo は、東京を拠点とするヘルスケア・コミュニケーションエージェンシーで、グローバルネットワーク「Havas Health Network」の一員です。
医療従事者、患者さんとブランドをつなぐためにストラテジー、クリエイティブ、医療知識を活かしたコミュニケーションを提供しています。
グローバルな視点と日本市場ならではのニーズを理解し、様々なチャネルやプラットフォームを横断した統合ソリューションをお届けしています。
HP:https://www.havaslife.co.jp/
